「家は買う物?つくる物?」

いきなりですが家はつくる物!と断言させてもらいます。

残念ながら今の時代では一般的に家は買う物と考えられています。
なぜならいろいろな住宅会社のCMや広告などで、家という物を規格化して価格や先着何名様まで何割引!
など一般的な販売商品と同じような説明で宣伝しているからです。

しかし本来家という物は地元の気候風土をわかっている地場の工務店がそこで暮らす人の事や
そこの土地の事を考えて作り上げていくものだったはずです。

この小さな日本という国でも地域の環境の違いで考えると、さまざまな条件があるとても大きな国だと思います。
その小さいけど大きな国で同じ作りの家が全国的に全てマッチする事は不可能なはず。
そこで『買う家』というのはその地域の事をわかっている人がつくった家なのか?という事です。

たとえ職人さんが地元の人でも間取りを考えたり家の仕様を考える人が地域にあっていない家の図面をつくっても、
職人さんは間違っているとわかりながらも仕事なので、図面通りにつくらなければいけません。
ダメだとわかっている物をつくる職人さんの気持ちや仕事っぷりはどうでしょうか?
想像するのも恐ろしいですよね。

やはり家という物は企画化された全国共通の商品を買うという事とは違うと思います。
その土地によって違う気候風土や地域の特色なども考えて1から作り上げていく物であるべきだと思います。
そして1から作り上げていく注文住宅とある程度決まっている物の中から選択していく注文住宅といわれている住宅。
はたして同じ注文住宅とひとくくりにしていいでしょうか?

ここで一般的に注文住宅と言われている家を3つのパターンに分けてみましょう。
一つはある程度決まっている物の中から選んでいく『選択型注文住宅』。
もう一つは施主さんが一つ一つ建築会社に注文して決める『指示型注文住宅』
そして最後に建築会社がプロとしての意見を盛り込むのが『相互型注文住宅』としましょう。
まずはみなさんどのパターンが自分に合っているか考えてみましょう。

『選択型注文住宅』のメリット、デメリット
まずはメリット、この場合はまず基本仕様という物があるので
坪単価や全体の価格がわかりやすいので金額が後であがる不安は少ない。
そして選べる物が限られているので、あまり悩まずに進む事ができるので打合せ時間が短縮できるなど。

次にデメリット、選べる物の中に気に入る物がなかった場合に建築会社によっては
金額をプラスすれば可能な場合と、金額をプラスしても変更ができない場合があるという事。

そして出来上がった家は建築会社の個性は出ているけど施主の個性が盛り込めていない家になるという事、
さらに家が規格化されているので地域の気候風土に合っていない可能性があるという事です。

次に『指示型注文住宅』のメリット、デメリット
最大のメリットとしては施主自身が思い描いていた通りの家が出来上がるという事でしょう。
その他には使う素材も自由に選べるので好きなものを全て取り入れられる事。
また基本的に建築会社の人は『YESマン』なので、お客さんとしては気持ちがいい事でしょう。(笑)
デメリットは施主の主導で決めていくので建築会社も施主も途中過程で建築費用がまったくわからないという事が一番です。

最後に『相互型注文住宅』のメリット、デメリット・メリット
建築会社からプロの意見やこだわりを言い、
施主からも思いや考えを伝えて両者が納得いくまで話し合いをしていくので
最終的にはとても満足できる家をつくっていけるという事です。
またプロの意見も強く反映されるので施主が想像していた以上の家が出来上がるという事です。

そしてデメリット、この場合も基本金額がないので建築費用がいくらになるのかが不安になるという事。
でもこの場合は建築会社のこだわりやイメージも強くあるので『指示型注文住宅』よりは金額が読みやすいと思います。
そして最大のデメリットは両者の強い思いがぶつかり合うので打合せに時間がかかる事と
ぶつかり合う事でイヤな空気が流れる事もありえます。(笑)

このような話を聞いてみなさんはどの注文住宅が自分に合っているか考えてみましょう。
どのパターンが自分にとって一番幸せな暮らしができるか、じっくりと考えてみて下さい。
できれば家という物を目先の数ヶ月で考えないで、そこで暮らす数十年をイメージして
『注文住宅』という物を選んでほしいと思います。

家づくりを愛する者として『家は買う物』ではなく『家はつくる物』であるべきと思っています。