「中庭のある暮らし」

今回のテーマは『中庭のある暮らし』

中庭という空間は商業施設や学校等の大きな建築物などでは多く見かける空間ですが、
一般住宅での中庭というのはあまり見かけないと思います。
なぜなら普段外を歩いて廻りの家を見ても中庭というのは外観からは分からない事だからです。
ここでは『中庭のある暮らし』を知ってもらいぜひ今後の家づくりに取り入れてもらいたいと思います。

まずは中庭を取り入れる理由としては一般的な家の作りで建物の前や裏に庭を作った場合に
廻りの家や道路から庭が丸見えで気兼ねなく庭で遊べなくなる事や、
洗濯物を干す事も人目が気になり干せなくなる事、庭に面している窓を開けてすごしている事が
防犯上心配になる事等があり、せっかくの場所が便利な庭として機能しなくなるだろうと
思われる事が理由になります。

次に実際に中庭を取り入れた一般住宅での中庭の良い所、悪い所を考えていきましょう。
まず良い所は多々ありますが、先程あげた理由では洗濯物が人目を気にせず干せる事、
窓を常に開けていても防犯上の心配がない事でしょう。

またお子さんのいる家庭では、道路に面した外の庭では急に道路に飛び出したりする心配や
知らないうちに外に出てしまう事が考えられます。

またペットがいる家庭も同じで中庭であれば安心して太陽の下で遊ばせてあげる事が
中庭の大きな魅力になるでしょう。

その他に幹線道路沿いに家がある場合等では、道路沿いにリビングを作り道路との間に庭があると
道路に向かって大きな窓を作る事が多いと思います。その場合には家の中に聞こえてくる騒音が気になります。
そんな時に中庭を作ると、道路とリビングの間に壁が出来るのでかなりの騒音が軽減されます。

ここまでが一般的に考えられる中庭の良い所。そしてここからはさらに掘り下げた楽しむ為の
『中庭のある暮らし』のポイントを説明していきましょう。
ここでは外から見えないという事を最大限利用して楽しんでいきたいと思います。

たとえば普通の庭では廻りの目が気になり恥ずかしくて出来なかったジャグジーやプールを置いて
水着で日光浴してみたり、露天風呂を作って自分の家で星空を見ながらお風呂に入ってみたり、
ハンモックでひたすらのんびりするなんて事も気兼ねなく出来てしまいます。
このような外空間の楽しみ方が出来るのは中庭の魅力ではないでしょうか。
そして良い事ばかりお伝えしてきたので、今度は中庭のちょっと気になる問題点について。

ここ湘南エリアでは大雪が降って積もる事はあまりないですが、もし大雪が降った場合に
中庭だと積もった雪を捨てる事が出来ないという事、
積もった雪をそのままにしておくといつ迄たってもそのままになってしまいます。
この問題については中庭にお湯の配管を引いてお湯を使えるようにしておくと解決します。
また最近の異常気象で多い事としてゲリラ豪雨が考えられます。

中庭を作る場合にとても重要な事の一つとして排水処理の仕方があります。
中庭の大きさにもよりますが普通に排水量を計算した場合に1ヶ所で足りる場合でも
万が一その1ヶ所の排水が詰まってしまった時の事を考えると余分に排水を設置しておく事をオススメします。

また2階リビングにして中庭を2階に作った場合には床防水の上にウッドデッキを設置する事があります。
その場合には排水部分がデッキ下で見えない状況になると思います。
このままの状態だと気づかないうちに排水が詰まって中庭がプールのような状態になってしまい、
家の中に水が溢れてくる心配があります。
このような場合には排水部分をいつでも簡単に掃除できるようにデッキを部分的に取外し式にしておきましょう。
そうすれば室内に溢れてくる事を回避できます。

また上記のような現実的な問題点の他に気持ち的な問題点もあります。
なかなかイメージしづらい事とは思いますが想像してみて下さい。

例えばペットのいる家では中庭がすでにドックランになっているのでお散歩が減ってしまう事。
そして自分の敷地の中にいながらにして風を感じて、太陽を感じて、ハンモックに揺られ、
ぼーっと空を眺めている暮らし。
1日外出しなくてもまったくインドアな気持ちにならない事。それが1番の危険な問題点になってしまうでしょう(笑)

このような『中庭のある暮らし』を想像しながら家づくりに取り組んでもらえれば、
さらに家づくりが楽しくなっていく事間違いないと思います。