「ガレージ→部屋→ガレージ」は正しい。

一口にガレージと言ってもガレージの意味は人それぞれで、
ある人は車やバイクなどを眺めるインテリアとしての空間、
またある人は整備工場のようにピットやリフトなどを設置して修理や整備をする作業場。
その他にも、遊び道具を詰め込みすぎて、ただの倉庫になってしまっているスペースなど、それぞれ。

世間一般には
『ガレージなんて贅沢なスペースはいらない!』
『ガレージなんて金銭的に余裕のある人がつくるものだ!』
『本当はガレージを作りたいけど、そんなスペースがあるなら部屋にしたい。』
など、ネガティブな声がたくさん聞こえてきますが、本当にそうでしょうか。
もう一度先入観をなくして、ポジティブに考えてみて下さい。

たとえばガレージは本当に贅沢なスペースでしょうか。
僕にはそもそも贅沢の意味があいまいな気がします。贅沢とは必要な程度をこえて、物事に金銭や物などを使うこと。
海の近くで暮らす人にとって避けられないのが塩害です。

湘南エリアではちょっと南風が吹くと車がベタベタになってしまいます。
車やバイクに塩がつくと、あっというまに塗装が傷んでサビが出てきてしまいます。
車が傷んでくると、いざ売却する時にガレージ保管の車と屋外保管の車では驚くような価格差が生まれます。
特に高級車の場合ではその差は大きくなります。

仮にガレージ保管と屋外保管の売却差額を30万円とします。
車を3年で乗り替えたとして15年で150万円の差額が生まれます。
実際にはこのような単純計算ではいかないと思いますが、こんな風に考えてみると、
ガレージとは必要な程度をこえているのでしょうか。
むしろ金銭的な損得で考えてもガレージは必要なスペースである!と考えられませんか。

ガレージは「無駄」?「贅沢」?

次にガレージは本当に無駄なスペースでしょうか?
またまたポジティブに考えてみたいと思います。
家づくりをはじめた時、皆さんは何年先までをイメージして間取りを考えていますか?
ほとんどの方は10年から20年くらいがイメージできる限界だと思います。

例えば20年先を想像した場合にその家で暮らす家族構成が変化したりして部屋が要らなくなったと仮定してみましょう。
部屋が要らなくなったから、この機会に個室をガレージにリフォームしようと思い建築会社さんに相談すると、
元々が部屋の場合にはガレージの入り口になる部分に基礎が通っていたり、床下に水道やガスなどの配管が通っているので、
大変大掛かりな工事になります。
車の入口を作る為に基礎や柱を撤去しなくてはいけないので、耐震の事を考えると実質不可能です。

これがもし最初にガレージを作っておいて、ガレージを部屋にする場合には、
何もこわさずに壁や床を付け足すだけで大掛かりにならずに部屋が完成します。
ガレージから部屋にリフォームした場合、その逆も簡単な工事ですみます。
「ガレージ→部屋→ガレージ」のリフォームの流れは難しくありません。

このような将来の家族構成の変更などを考えた場合には、ガレージは無駄ではなくむしろ合理的なスペース
だと考えるのはどうでしょうか。

僕は今までガレージやガレージハウスを建築された方たちで、ガレージは必要なかったと後悔している方に出会った事がありません。
どちらかというとめったに使わない客間を作るより、ガレージをもう少し大きくしておけば良かった
などの意見のほうが多いです。
そして何より趣味の物に囲まれていたり、趣味の時間に没頭できたり幸せな時間を過ごしています。

最後に、僕の感じているガレージを一言で表すと
『百利あって一害なし』です。