本来の意味の『ローコスト住宅』とは、初期費用のことではなく、何十年も維持するためのメンテナンス費用が安い住宅のことなのです。

 

 
 
 
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vol.5 本来の意味の『ローコスト住宅』とは、初期費用のことではなく、何十年も維持するためのメンテナンス費用が安い住宅のことなのです。

『ローコスト住宅』というと、とても安い費用で住宅を建築することだといわれています。人によってイメージは違うと思いますが、だいたい30坪の木造の住宅で/1000万〜/1500万円くらいの家をイメージされると思います。わたしが考えるローコスト住宅とは、上記のようなこととは違い、メンテナンスが、ローコストな住宅ということなのです。
 今回は『コスト』についてのお話なので、現実的なお金の話ばかりになってしまいますが、とても大事なことだと思いますので、ぜひ考えてみて下さい。
 それでは具体的な説明をしていきたいと思います。
 例えば一般的な初期費用が『ローコスト住宅』の場合、新築してから10年後にまず外壁・屋根の塗り替えが必要になります。そして15年後にはクロスの貼り替え、フローリングの貼り替え、キッチン、ユニットバス、エアコン等の交換。さらに20年後には、また外壁・屋根の塗り替えがやってきます。その他にもメンテナンスは必要ですが、大きい部分だけでもこのようになります。
 そしてこの家を維持していくうえで大事なメンテナンスを怠ると、30年後には取り返しがつかないほど、家が傷んでしまいます。このようなメンテナンスを怠ってきた住宅が多いことで、木造住宅が30年くらいしか『もたない』と言われるようになったのです。
ではどうすれば本来の木造住宅の性能を維持できるかを実際の金銭的な事もふまえて考えていきましょう。ここからは家の仕様によって大きく変わるので、ざっくりとした金額で説明していきます。
 まず『屋根』について。屋根材にはいろいろな種類がありますが、一般的なローコスト住宅で多いカラーベストという屋根材。新築時にかかる費用はざっと30万円だとします。次に最近多いガルバリウムの屋根材が50万円だとします。カラーベストは10年に1度20万円の費用をかけて塗り直しをします。これを繰り返して30年後には初期費用込みで合計90万円の費用が必要になります。40年後には110万円…。
 またガルバリウムの場合、20年後に20万円をかけて塗り直しをし、30年後には合計70万円になります。40年後には90万円…。
 次に『外壁』について。まずは一般的な外壁で多いサイディングという材料。
 新築時に掛かる費用はざっと100万円。次に米杉の外壁材の場合
ざっと300万円とします。一般的なサイディングは10年に1度、塗り替え&コーキング打ち直しで100万円。これを繰り返し30年後には合計400万円…。
 いっぽう米杉の場合、基本的に無塗装なので塗り直しという事がないので30年後も合計300万円。もちろん無垢の木なので洗ってあげる必要はありますが、メンテナンス費用という事で考えると0円でいいでしょう。
 次にフローリングについて。一般的なカラーフロアーといわれる木目のプリントされているフローリングは新築時に材料費として15万円。15年後に貼り替えをすると材料だけで15万円、そこに解体費や施工費等を考えると合計100万円は必要になると思います。無垢のフローリングの場合は、木の種類によって大きく金額が変わってしまうので、ここでは比較的価格の安いパインの無垢フローリングで考えます。パインの場合、新築時で材料費がだいたい30万円くらいだと思います。そして無垢のフローリングの場合は、貼り替えという必要はありません。よって、メンテナンス費用で考えると0円になります。
 こんなことばかり説明すると戸建住宅で暮らす事は維持費がかかりすぎるから、『マンションの方が良い!』なんて思う人もいるかもしれませんが、ちょっと待って下さい。マンションの場合は共益費や管理費という事で管理会社が強制的に管理してくれています。戸建住宅の場合は共益費や管理費を自分が管理することになります。簡単にいうと、家のために月々貯金をしたり、掃除をしたり、家のチェックをすることです。
 ここでの話をふまえて一般的な『ローコスト住宅』の場合、おおまかですが、月々5万円くらいは貯金しておくことが家を維持していくうえで必要でしょう。
 次に『メンテナンスがローコスト』な住宅の場合、内容により変わりますが、月々2万円くらいの貯金で、家を維持していくことが可能だとします。
 月々3万円の差。年にして36万円、10年で360万円、30年で1080万円…。
 かなり大きな差だと思いませんか?
 今回は金銭的なことばかりで説明してきましたが、工事をするということはたくさんの業者や職人達が日々の生活の中に入ってくるので、工事期間中は日常の生活ができなくなるということも大事なことの1つです。
 さらに物を長く大切に使うということもとても大切だと思います。
 ぜひみなさんには家を建てる時の初期費用の事だけでなく、今後何十年もその家を維持していく事をふまえての『ローコスト住宅』を考えてほしいと思います。


 

 

 
 
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