出逢いは、なんとなく会社を休んでふらりとしていた平日の午後。ちょうど工務店探しに煮詰まっていたところでさくらがおか(湘南住select運営)の町田さんに出会いました。時間もあったので、私たち夫婦のこれまでのことやライフスタイル、これからの夢なんかを長々と聞いてくださり、そのうえで私たちにぴったりな工務店を紹介してくださいました。
それがsolasioです。休日ともなれば友人や家族を招いて食事をふるまうのが好きで、和食を中心として食材に「こだわる」のが私たち夫婦のスタイル。
一方solasio玉造社長も、基礎や柱に檜やヒバを用いるなどなど木の素材に「こだわる」スタイルで、初対面の打ち合わせ時から、木目について熱く語る社長に何か通ずるものを感じ、solasioでの家づくりを決意しました。
家の設計の打ち合わせが夏に始まり、ほぼ毎週末solasioへ。家ではほぼ毎日、自分たちがどのような家のつくりだったら住みやすいのかを、ひたすら突き詰めて考える日々でした。特に、美味しい食事を食べること、美味しいお酒を飲むことが大好きな私たち夫婦は、台所周りの設計にこだわりました。玉造社長の提案と、自分たちが実際に使う台所のイメージを重ね合わせながら形にしていきました。とても使い勝手の良い台所に仕上がったと思います。
ゼロからの設計なので想定以上に決めていく事が多く(どうでもいいような巾木の幅までミリ単位で決めるとは!)、
打ち合わせは20回ほど続き、気づけば季節も変わり、妻も臨月になり(笑)、年の瀬を迎えようとしていました。
でも、自分たちの生活や持ち物を見直してみたり、「こうなっていたら良いかも」とアイディアを出し合っていく作業はクリエイティブでとても楽しい時間でした。
年が明けて2月、いよいよ着工です。solasioは、家づくりに携わる大工さん、工事関係者、資材関係者の方々と顔合わせをする着工パーティを開催してくださいました。
着工パーティで家づくりに携わってくださる方と直接話ができて、良い家を作りたいという私たちの思いとみなさんの思いがひとつになった気がしました。solasioの仕事は決まりきった形ではないから、作る方も楽しいと、棟梁の北澤さんがおっしゃっていたのが印象的でした。
(着工パーティで我が子を抱っこしてもらっていなかったら、現場で初めて会う基礎工事の遠藤さんはきっとただの怖い人でした。笑)
打ち合わせでずっと2次元でしかなかった自分たちの家が、みるみる3次元となっていく様子は、わくわくするものでした。
5月に入り、いよいよ施主施工作業の始まりです。週末になるたびにsolasioTシャツに身を包み、朝から日が暮れるまで現場に入りびたり、日々の買い出しリストも「卵、牛乳・・・」ではなく「刷毛、コテ、マスキングテープ・・・」。
はじめのうちは木部のオイル塗装で、楽しみながらやっていましたが、壁の下地塗りが始まってから、ひたすらパテを埋め込んでゆく途方もない作業に心が折れかかりました(笑)。でも、毎週のように多くの友人たちや家族がヘルプにやって来てくれ、なんとか下地を終えることができました。
これを乗り越えての珪藻土塗りのスタートは、「やっとここまでやってきた」という感慨深さとともに始まりました。
家づくりを手伝ってくれた家族や友人も、それぞれ思い入れと熱い心意気を持って作業してくれていたので、しばしば進め方などで意見が食い違うことも。平日は会社で働き、土日は作業をし、蓄積してきた疲労も相まって、かつてホームメーカーで現場監督としていた父親と大喧嘩してコテを投げる・・・なんてことも。
でも、就寝前にYouTubeで左官仕事の動画を見てイメトレするのが日課となり、マイコテまで購入する程にハマり、学生時代の部活の大会前のような、文化祭の直前のような、そんな興奮と充実感がありました。父との喧嘩も今振り返れば笑い話。おそらく父と衝突しなければ、妻と揉めていたでしょう(笑)
クライマックスは自分含め親族にも有給を取らせて臨んだ4日間の「大壁塗り大会」。朝8時から日の入りまで、みんなで一体となって、
若干憑りつかれたようになりながら(笑)作業して、一族総出で天井と壁塗りを仕上げました。
かなり面積がある勾配天井を一日で塗り切ったときの達成感はおそらく忘れないと思います。せっかく上達してきたところで塗り終えてしまったので、少し物足りなさも感じました。今度、どなたかが自宅の珪藻土を塗るときには、ぜひとも呼んでもらいですね。いつでも駆けつけます。(笑)
そうして夏に完成した我が家。新居を「買った」というよりも「創った」という感覚で、家の隅々に愛着が湧いています。
皆で作業したこともとても良い思い出となっており、手伝ってくれた人を招いて飲めば、「あの壁を塗ったときにこうだったあぁだった」など壁を見ながら酒が呑める、そんな家になりました。
家ができていく過程を見ていたので、少し床に傷がついた、壁に穴が開いた、くらいのことは自分たちで修繕する自信もついたし、solasioファミリーと自分たちの大事な作品なので、きちんと手入れしながらずっと住んでいきたいと思っています。
一旦、終わったかのように思えた家づくりですが、床板に使った屋久杉を用いたポスト、靴箱の作成、サーフボード小屋、庭づくり、アプローチの隙間を砂利で埋めたり、まだまだ家づくりは終わりません。そのひとつひとつの作業を楽しんでいく事で、更に愛着のある家になっていくのだと思います。
わがままな素人の私たちの家への要望を何時間も聞いて形にしていってくださった玉造社長。(設計士なのに!)猛暑の中ひたすらタイルを切ってくれて、和の雰囲気が出る家になるよう色々とアドバイスくださった畠山さん。様々なトラブルにも電話ひとつでかけつけてくださったsolasioファミリーの業者の方々。そして施主施工の作業を手伝ってくれた友人、家族。
本当に多くの方のおかげで家が完成しました。とっても大変だからもう勘弁だけど、もう一度やりたいような、そんな楽しく充実した家づくりでした。