印象的な黒い壁の外観とデザインのアクセントにもなっているウッドデッキの意匠。そんな特徴的な家のすぐ脇を、心地よい車輪の音を響かせながら江ノ電が通り過ぎていきます。普通ならうるさいと感じる電車の音も、家の間を縫ってゆっくりと走る江ノ電だとその音も風流に聞こえるから不思議です。
仕事からの帰り道、江ノ電の車中から我が家を眺めると、ウッドデッキから漏れる柔らかい光が、「おかえりなさい」とやさしく迎えてくれているようです。
家の中に入ると、シックで落ち着いた雰囲気の外観とはまた違った、自然素材の柔らかい雰囲気に包まれます。大きめの玄関を抜けると、そこはとても広いリビング。ちょっと濃い目の床の色、そして真っ白な珪藻土の壁の色とのコントラストは、部屋の家具との相性もばっちり。
生活感はできるだけなくしたい、だけど、生活しずらくなるのは困る。そんなわがままに応える工夫が、キッチンやリビングにはたくさん。そのひとつが、作り付けの収納です。部屋の雰囲気やひとつひとつの家具とも調和したデザイン、そして使い勝手のよさを見事に両立させました。
趣味のサーフィンを楽しむための工夫にも、もちろん余念はありません。ウッドデッキをぐるりと回ると、そこにはサーフボード置き場が。そして、波乗りから帰ってきたら直接脱衣所に入れる、そんな、動線の工夫も嬉しいポイントです。
周りを何にも囲まれていない、開放感のあるT邸は、素敵な湘南ライフを満喫する工夫がたくさんの、そんなわが家になりました。
施主様からの要望
・生活観はなくしたい。だけど生活しやすいようにしたい。
・雨の後のしみが目立つのが気になるので、外壁には白以外の色を使いたい。
・サーフィンを楽しむ工夫を。
・玄関とリビングを広くとりたい。
コンセプト
江ノ電の音色を聴きながら
設計のポイント
・作り付けの収納をうまく使って、生活感をなくしつつ、生活のしやすさを実現しました。
・リビングの天井を高くして、その分2階の子供部屋の床を高くしました。その高くなったところをベッドにする工夫をしています。
・サーフボード置き場にサーフボードを置いてから直接脱衣所に入れるような動線の工夫をしました。