「家づくりはチャンス」

『家づくりはチャンス』なんて、あまり意味がわからない言葉だと思います。

何がチャンス? これからそのことについてお話していきたいと思います。
まず家づくりにはいろいろな想定外の出来事がおきることがあります。
実際に家づくりの打合せが進んでいくと、今までは家族の関係が上手くいっていたご家庭でも
大なり小なり、もれなく家族間の衝突が起こります。

なぜ今まで上手くいっていた家庭でもこのような衝突が起こるかというと、
今まで家族間で話していたほとんどの決め事は、
時間が経過すると解決していくものだと無意識に感じているからだと思います。

それと違って家というものは一度決めると数十年はそのままということが大きな違いです。
それは家づくりの打合せが進んでいくほど感じていくことでしょう。
ここで一度決定してしまうと、取り返しがつかないという恐怖に襲われていきます。
そして今までは『自分が多少我慢して物事が上手くいくなら』という気持ちで決めていたことが、
家づくりでは自分自身が我慢をすることができなくなってしまいます。

家づくり以外のことではお互いにその我慢が上手くできて、
相手の意見を尊重してきたことで衝突をさけてこれたのですが、
家づくりではあまり慣れていない『我慢をしない』ということが上手く相手に伝えられないために
衝突がおきてしまいます。
それは家づくりを真剣にすればする程起こりうることになります。

ここで、どのようなことをさければよいか?それは『家づくりはチャンス!』と思うことだと思います。
私が思う『家づくりはチャンス!』とは

1、家族に自分の想っている気持ちを正直に話すことができる家づくりに感謝するチャンス
2、家づくりをしなければ、真剣にお互いの気持ちを相手に伝える機会がなかったと思うチャンス
3、自分の気持ちを相手に上手に伝えるという行動を家族で練習できるチャンス
4、家族の将来を真剣に考えてイメージしてくれる相手に感謝することができるチャンス

このようにポジティブに考えていくと、いろんな経験ができたことに感謝できる気持ちになっていきませんか?
そしてこの大変な家づくりを乗り越えた後、家族の関係はより絆を深めていけること想像できると思います。

また家づくりには沢山の制約があります。土地の条件にも建物の条件にも多くの制約があります。
例えば土地の制約として、建ぺい率や容積率などで思い描いていた家の大きさが作れない場合には、
ネガティブに考えてしまうと、『なんでこんなに小さい家しか建てることのできない土地なんだ』
と感じてしまうでしょう。

ところが逆に同じ制約でポジティブに考えてみると『容積率の関係で建物の大きさに制約があるから、
大きくなる事で高額になる建築費用が抑えられるのでその分、家の仕様を豪華にできる』とか、
『土地に余裕がないので外構工事が少なくて済むから金額的にも楽になるし、
そこでの暮らしが始まった後の庭の手入れが楽になる』など。

ちょっとポジティブに考えるだけで土地の制約が逆に良いチャンスに変わります。
今度は建物の予算が希望からオーバーしてしまったことについてネガティブに考えると
『予算が足りなくて希望通りの家が建てられないならこんな家いらない!』となってしまいますが、
ここでお得意のポイティブに考える作戦です。

『金額を下げる必要があるのでいろいろな情報を駆使して自分で調べてみて、
一般的に知られていない安くて良い物を見つけることができる。
『知識も増えて金額も下がる』とか『金額を下げる必要があるので、家族間で何が本当に必要で、
何が本当はなくてもいい物なのかを真剣に話し合うことができて、お互いの本音が分かり合える』
などチャンスだと思いませんか?

このように家づくりというのは、ネガティブな考え方をちょっとポジティブな考え方にするだけで、
今まで家族間で心から真剣に話し合ってこなかった沢山の決め事=苦痛な事が、
心から真剣に話し合うことで逆に幸せになる大きなチャンスに変わっていくでしょう。

今では幼少の頃から一人部屋で過ごし、何か難しい問題が起きた時にもインターネットで顔も知らない人に相談して、
責任のない答えを求めることが普通になってしまっています。
さらに家族で話し合う時間も少なくなっていることが、
『相手に上手に気持ちを伝えること』や『家族が大切にしていること』などに気付くことが
難しくなってしまっているのかもしれません。

読者のみなさんには、真剣に家族と向き合うことのできる『家づくり』というとても大変で大きな決め事を
『家づくりはチャンス!』という気持ちで、ぜひ幸せを掴んでほしいと思います。