Kさんが自分の家に求めたもの、それは年月を重ねることでアンティークのように味がでてくる家。
経年変化によってシルバーグレイになっていく米杉の外壁をセレクトしたのもそんな想いからでした。
K邸の玄関の扉を開けると、まず目に飛び込んでくるのが、来待瓦(きまちがわら)を貼られた玄関扉からまっすぐに伸びた通り土間。奥様の生まれ育った島根県。その故郷で作られたものを家のどこかに使いたかったというご夫婦の希望もあって、ラフな質感を持つ来待瓦を通り土間の床に敷きました。家の外と中が自然に繋がる通り土間は、お子さんが帰ってきた時に、土足でそのまま走り回れる空間に。家の中にいながらにして外との繋がりを感じることができる、そんな空間になりました。
通り土間のほかにもK邸の玄関扉を空けた時に感じられる事がもうひとつ。それは、とても開放的な空間が広がっているということ。ハイサイドライトなどのたくさんの窓から入ってくる光、そして吹き抜けの天井など、鎌倉の自然の恵みを目いっぱい感じながら、日々をすごすことができます。
室内には、オークの床材や珪藻土の壁など直接肌に触れる場所には、もちろん自然素材を使いました。どの素材も年月を重ねて更に雰囲気が出てくるものばかりです。
奥様のこだわりポイントは、なんといっても造作のキッチン。ステンレスの天板は掃除や手入れのしやすさを考慮してセレクト。他にも、アンティーク調の蛇口や水洗レバーは、この家の空間ととてもよく調和しています。
玄関にはこれから薪ストーブを設置する予定。揺らめく炎を眺めながら暖を取ることは、自然を感じながら暮らすKさんのライフスタイルにピッタリなアイテム。今からその設置が楽しみです。
これから年月を経て、どんな風に変化していくのかがとても楽しみなK邸です。